モルガン 2015 2 1

書名 日銀失墜、円暴落の危機
著者 藤巻 健史  幻冬舎

 モルガン銀行で「伝説のディーラー」と言われた著者の本を初めて読んだのは、
もう10年前だったと思います。
毎年、1冊ぐらい本を出版しているでしょうか。
 著者は、日本人にしては珍しく、明確に自己主張する人なので、
本屋で、いつも気になる人と言えるかもしれません。
 この著者の主張は、一種の信仰に近いと言えるかもしれません。
それが、「ハイパーインフレ教」という、
まるで信念に近いというか、信仰に近いような主張です。
 「ハイパーインフレが来る。円が暴落する」という主張は、
この10年以来、微動だにしなかったと思います。
これは、思想信条の域に達していると言えるでしょう。
 私は、現時点では、
「ハイパーインフレもない。円暴落もない」と思っていますが、
日本国債に関しては、気になることがあります。
 著者が言うように、国債市場においては、
「大口の売りが出ると、市場は暴落する」ではなく、
「大口の買い手がいなくなると、市場は暴落する」が正しいのです。
 今の「大口の買い手」とは、日銀です。
この論理でいくと、日銀は、
永久に金融緩和をやめられないということになります。
 そういうわけで、日銀総裁が、
担当外である「消費税の増税」を言うのも、わかる気がします。
 もうひとつ、引用しましょう。
「インフレとは、債権者から債務者への富の移行」
 確かに、そのとおりです。
インフレにおいて、債権者の債権の価値は逓減し、
債務者の債務の負担も逓減します。
 要するに、インフレ社会においては、
大雑把に言えば、
借金のある人は得をして、
借金のない人は損をするということです。
 さて、著者の本を読むと、
なんだか、「ドル資産を持ちなさい」と言いたげです。
 しかし、史上最高値にあるアメリカ株は、買いにくいかもしません。
一方、アメリカ国債は、流動性が高い、
つまり、「いつでも買えて、いつでも売ることができる」というメリットがありますが、
一般の人には、敷居が高いかもしれません。
 そこで、「モルガン銀貨」は、どうでしょうか。
モルガン銀貨とは、1878年から1904年と1921年に発行された銀貨です。
価値は、数千円のものから数百万円のものまであります。
 こんなに価格差があるのは、未使用のものがあるということや、
発行枚数が非常に少なかった年があるからです。
 ここで注意が必要なのは、鑑定済みのコインを買うということです。
アメリカは、「格付け社会」です。
大手の格付け会社が、国債を格付けしているように、
コインについても、PCGSやNGCという鑑定会社が存在して、
細かく格付けを行っています。
 ちなみに、モルガン銀貨の大きさは、
100円硬貨の2倍、厚さも2倍ぐらいあるかと思います。
感覚的には、100円硬貨の3倍ぐらいの大きさに感じます。
ずっしりと重いという感じです。
要するに、大型銀貨です。
 アメリカというと、経済大国や軍事大国を連想するでしょうが、
実は、コイン大国です。
どうして、アメリカがコイン大国になったのかは、諸説あります。















































































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